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発災後の調査と影響予測

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小田川の浸水氾濫区域の解析結果



岡山県倉敷市真備町を流れる高梁川水系小田川で、平成30年7月豪雨により発生した浸水氾濫について、浸水痕跡水位の調査を行うとともに、iRIC Project※1のNays 2D Flood※2を用いて、浸水範囲の解析を行いました。
 
※1:iRIC(International River Interface Cooperativeの略称)Projectとは、清水康行教授(北海道大学)とJonNelson博士(USGS)らの提唱により、河川の流れ・河床変動解析ソフトウェア等を開発するプロジェクト。

※2:iRIC Projectにより開発された平面二次元流計算を氾濫流解析に適用したソフトフェア。
 
 

解析対象箇所

解析対象箇所は、岡山県倉敷市真備町を流れる高梁川水系小田川(高梁川合流部0kmから3.6km)とし、氾濫原は、主に水田、畑及び宅地となっています。
 
 

小田川での浸水痕跡水位の調査

平成30年7月豪雨により、小田川で複数の堤防が決壊し真備町の約1200ha、約4600戸が浸水しました(中国地方整備局8月10日発表)。
この堤防決壊の原因は、高梁川と小田川の水位差により、高梁川の水量が小田川に逆流し、小田川の水位を上昇させた背水現象(Backwater:バックウォーター)と言われています。

当社は、土木学会水工学委員会水害対策小委員会の活動に協力し、7月21日に真備町に入り、写真撮影(写真1)等、現地の状況の記録を行いました。
 
 
小田川の浸水氾濫区域の解析結果

写真1 対象地域内の医療機関(2018年7月21日、当社社員が撮影)

 
 

Nays 2D Floodによる浸水区域の結果

解析は、以下の条件(表1)で行いました。
 
 

表1 解析条件の一覧

スクロールで表全体をご覧いただけます

計算条件 係数
計算区間 0kmから3.6km地点
計算期間 7/7 0:40~7/8 12:50 (129,600秒)
計算間隔 0.2秒間隔
標高データ
(国土地理院 標高タイル)
ズームレベル13(解像度:15m)
格子サイズ 約15 m×15m
氾濫流量 高梁川の水位を考慮した小田川3.4km地点の
破堤時の横越流量(m3/s)
小田川の河床勾配 1/1515
粗度係数 低水路:0.028
高水敷:0.08
水田・畑地:0.025
宅地:0.04
破堤箇所の地盤高 15.99 m(左岸堤防高)から10.54mへ

小田川の浸水氾濫区域の解析結果図1 解析結果(7月8日午後12時50分の結果)

 

小田川の浸水氾濫区域の解析結果図2 平成30年7月豪雨に係る岡山県倉敷市真備町の推定浸水範囲の変化 (国土地理院のHPより転写)

解析の結果(図1)、国土地理院が公表した推定浸水範囲の変化(図2)の範囲とおおむね同様の浸水範囲となりました。
(図2は、平成30年7月豪雨に係る岡山県倉敷市真備町の推定浸水範囲の変化であり、動画や真備町の上空から撮影した写真より、時系列的な浸水範囲の変化を示しています。)
この解析により、平成30年7月豪雨における小田川の外水氾濫※3について、浸水範囲の再現が出来たといえます。
 
 
※3:川の水が堤防からあふれる、または川の堤防が破堤した場合に起こる洪水。
 
 
 

水害・土砂災害の現地調査を支援

平成30年7月豪雨による水害・土砂災害で、土木学会水害対策小委員会の協力要請を受け、徳島大学・愛媛大学の現地調査に協力し、徳島県三好市の土砂災害現場ではドローンによる空中写真撮影、岡山県倉敷市真備町の浸水被害現場ではGPSを用いた浸水深の調査をそれぞれ行いました。
 
 

① 徳島県三好市(吉野川水系)(H30.7.13)

ドローンによる被災状況調査ドローンによる被災状況調査

 

ドローンによる被災状況調査ドローンによる被災状況調査

② 岡山県倉敷市真備町(H30.7.21)

GPSによる浸水深測定状況GPSによる浸水深測定状況

 

浸水深測定状況浸水深測定状況