ダムや堤防・護岸、樋門・樋管構造物といった河川構造物がより良い状態で、長期に亘ってその機能を発揮するために、施設の点検と健全度の評価、補修やモニタリング計画を定めた維持管理計画の策定、施設の更新・整備計画を定めた長寿命化計画の策定を行っています。
治水、利水などの機能を有する重要構造物であるダムは、日常点検に加えて、3年程度のサイクルでダム定期検査を実施して、ダム堤体の挙動や外観の変状、周辺地山の状態、機械設備、電気通信設備、その他管理設備等の状態を評価します。
全面更新が馴染まないとされるダムの土木構造物に関しては、管理開始から30年程度のサイクルでダム総合点検を実施して、設計及び管理記録に関する調査と現地調査を基本に、各ダムの課題解決に向けた専門性の高い追加調査を行い、施設の健全度を評価し、今後の維持管理方針を定めます。
ダムは、土木構造物、機械設備、電気通信設備が複合して機能を発揮している施設であり、各設備の特性や健全度を踏まえ、更新・整備に関する中長期的な維持管理計画であるダム長寿命化計画を策定します。策定に際しては、コスト縮減・平準化を考慮します。
完成から長い年月を経過したダムが増加しています。老朽化した放流設備等の機械設備について、健全度評価や老朽化診断を行い、ダムの特性を踏まえた更新や修繕の設計を行います。設計に際しては、コスト縮減や社会環境の変化に合わせた機能の向上を踏まえて最適な改良を提案します。
ドローン撮影画像と3Dレーザー計測の点群データを組み合わせた3Dモデルを構築して、デジタル画像技術によりひび割れ等の変状を検出します。
水中ドローンで撮影した画像を用いて、地上からは確認が難しいダム堤体や取水口等設備の水中部の劣化、損傷等の変状箇所を確認します。
日本、アメリカ、ロシア、EU等の衛星を利用するGNSS(Global Navigation Satellite System)による計測システムを利用し、プラムラインと併せて、より詳細に堤体の挙動を監視します。
河川では、堤防・護岸・樋門・河道等の河川管理施設の調査・点検を行い、施設の評価やモニタリング計画の策定を行っています。また、劣化・変状が確認された施設は、機能保全・回復を図る補修設計を行っています。
堤防の法面の点検 / 植生調査
護岸の調査(護岸背面の状況を電磁波レーダで調査)
樋門の点検(劣化したコンクリートを採取し、コンクリートの状態を調査 / 施設の背面の状態をファイバースコープで調査)
河道の調査(河岸に近づけない箇所をUAVで調査)
目視では判別が難しいひび割れの開きの有無を確認するため、コンクリート探傷剤とブラックライトを用いたひび割れ検知システムを開発し、樋門の点検を実施しています。
使用方法
河川構造物(樋門・樋管、水門)の 点検が効率的に実施できるように、 人工知能(AI)を活用して音声入力 による樋門等点検システムを開発しました。
出水時や地震時を想定した訓練の企画を行い、行政と一体となり運営しています。
屋内での訓練
屋外での訓練