建設環境研究所 |環境に強い総合コンサルタント

お問い合わせ

生物多様性について

生物多様性とは

⽣物多様性とは、⼈を含めたいろいろな⽣き物が、あらゆる環境のなかで互いに関わり合いながら⽣きていること、⽣き物たちの豊かな個性と繋がりのことをさします。

地球上の⽣き物は40億年という⻑い歴史を様々な環境に適応しながら進化し、3,000万種ともいわれる多様な⽣き物が⽣まれました。

これらの⽣命は⼀つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に⽀え合って⽣きています。

⽣物多様性はなぜ必要か

私たちの⽣活は、⽣物多様性のなかから⽣まれる様々な恵みによって成り⽴っています。この恵みのことを「⽣態系サービス」といいますが、⼈間の活動によって⽣き物の棲みかが奪われたり、⽣き物が絶滅したりすると、これまでの⽣態系サービスが得られなくなってしまうかもしれません。

過去にも環境の異変などによる⼤量絶滅が起こっていますが、現在は「第6の⼤量絶滅」と呼ばれ、主に⼈間の活動による影響で、地球上の種の絶滅スピードは⾃然状態の約100~1,000倍にも達しており、数多くの⽣き物が絶滅の危機に瀕しているといわれています。

⽣物多様性はなぜ必要か

⽣物多様性がもたらす価値

2020年世界経済フォーラム(WEF)による試算によると、生態系サービスから生じる付加価値は、世界総GDPの約52%(44 兆ドル)に相当とされています。

また、『グローバルリスク報告書(2022年度版)』ではリスクのうち上位3つが環境課題で占められており、第3位に「生物多様性の損失」が挙げられています。このことからも、世界規模で気象変動関連に加えて、生物多様性に関する重要性に注目が集まっています。

生物多様性に関する目標

2022年12月にモントリオールで開催された、「国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)」で2030 年までに地球上の陸域、海洋・沿岸域、内陸水域の30%を保護する合意がなされました。また、2050年ゴールや2030年ターゲット(下記説明参照)が定められました。

主な2030年ターゲットの概要
  • ・ターゲット3:2030年までに陸と海のそれぞれ30%以上を保護・保全(30by30)

  • ・ターゲット6:2030年までに侵略的外来種の導入率・定着率を半減

  • ・ターゲット8:自然を活用した解決策等を通じた気候変動の生物多様性への影響の最小化

  • ・ターゲット15:ビジネスによる影響評価・情報公開の促進

また、日本でも環境省による"30by30(サーティ・バイ・サーティ)" の活動が進められています。2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標で、環境省は令和6年前期までに、全国253カ所を「自然共生サイト」に認定。これら「自然共生サイト」の情報は、「30by30アライアンス」WEBページ等で公開されています。

(外務省、環境省ホームページより引用)

生物多様性に関する情報開示の動向

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による気候変動関連の情報開示の枠組みは、2021年からは東京証券取引所のコーポレイトガバナンスコードにも位置付けられました。気候関連の情報開示に加え、生物多様性分野に関するTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース:Taskforce on Nature-related Financial Disclosure)についても、2023年9月に最終提言となる「v1.0」が公表され、今後TCFD同様の対応が必要になることが見込まれるため、生物多様性に関する情報開示ついて日本でも大企業を中心に準備が進められています。

⽣物多様性を守るための企業活動

⽣態系サービスが得られなくなると、企業活動にも⽀障をきたす恐れがあります。そのため、⽣物多様性を守りながら⽣態系サービスを持続可能な範囲で利⽤したり、⾃然への負荷を軽減する活動が世界中の企業の間でも広まっています。

例えば、企業が製品を⽣産する時に⽔や植物などの使⽤量を⾒直ししたり、商品を廃棄する際に発⽣するプラスチックやCO2排出量を削減するなどの努⼒をしています。このような活動を⾏うことで⾃然環境を維持することができ、私たちは豊かで快適な暮らしを続けることができます。

このような⾃然と共⽣していく持続可能な世界を⽬指してわたしたちがとる⾏動のことを「ネイチャーポジティブ」といいます。

⽣物多様性を守るための企業活動

* 本ページの内容は2025年1月時点の内容です。

当社では、生物多様性やTNFD、ESGなどに関する内容のセミナーや個別研修を実施しております。お気軽にご相談ください。お問い合わせフォームの「お問い合わせ内容」で、「生物多様性」を選択のうえ、お問合せください。